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建設業者が産廃業の許可をとるべき理由

建設業者が産廃業の許可をとるべき理由

福島県の行政書士、佐藤勇太です。

今回の記事は建設業と密接な関係のある産業廃棄物の収集運搬についてまとめたものになります。
産業廃棄物の不適正な処理により処罰される事業者は後を絶ちません。
建設事業者の皆様にとって、きっと役に立つものと思います。
それほど時間はかかりませんので、どうぞ最後までお読みください。


解体工事などの建設工事で発生する産業廃棄物(建設廃棄物)は、元請事業者が責任をもって処理しなければなりません。
しかし、元請事業者が建設廃棄物の処理のすべてを自らで行うことは現実的に不可能です。
実際の工事の施工を下請事業者が行っている場合、そこで発生した建設廃棄物は、その下請事業者が処理する方が便利であるケースも数多くあると思われます。

一方、他人の委託を受けて産業廃棄物を中間処理施設や処分場に運ぶには、原則として、産業廃棄物収集運搬業の許可が必要になります。
元請事業者が自分で建設廃棄物を運ぶ場合には許可は不要ですが、下請事業者にそれを委託する場合、下請事業者は許可を取得しておかなければなりません。

下請事業者が許可なしでも運ぶことができる場合もありますが、それはかなり限定された範囲になっています。
法令に違反した建設廃棄物の処理を行うと、元請事業者・下請事業者の双方が刑事罰に処せられる可能性があります。
下請の立場で建設工事を行う可能性のある事業者の皆様は、産業廃棄物収集運搬業の許可を取得しておいた方が安全だと言えるでしょう。

建設業と産業廃棄物

産業廃棄物とは事業活動に伴って排出された廃棄物であり、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)により、以下の20種類に分類されています。

燃え殻汚泥廃油廃酸
廃アルカリ廃プラスチック類紙くず木くず
繊維くず動植物性残さ動物系固形不要物ゴムくず
金属くずガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず鉱さいがれき類
動物のふん尿動物の死体ばいじん処分するために処理したもの

建設業の事業活動によって生じる産業廃棄物(建設廃棄物)は、廃プラスチック類、紙くず、木くず、繊維くず、金属くず、がれき類と様々な品目に及びます。
建設廃棄物は、産業廃棄物の排出量の約20%程を占め、産業別にみると2番目に多い量となっています。

平成30年度の建設廃棄物の搬出量は、約7,440万トンとなり、これは東京ドームの約44個分に相当する膨大な量となっています。
最も排出量が多いのは、コンクリート塊、コンクリート・アスファルト塊などのがれき類で、建設汚泥がこれに続きます。

これらの建設廃棄物は、再資源化が進められ、リサイクル率は90%を超えています。
しかしながら、新規の最終処分場の建設は難しく、なお一層のリサイクルの向上が望まれているのが現状です。

不法投棄と排出事業者の責任

がれき類

産業廃棄物の処理の責任は、その廃棄物を排出した事業者(排出事業者)にあると定められています。廃棄物の処理を委託したとしても、最後までその責任から逃れることはできません。

実は、不法投棄される産業廃棄物の7割以上が建設廃棄物と言われており、従来から環境保全の観点で問題とされてきました。
建設業は元請から下請、そしてその下請(孫請)という階層関係で成り立っており、従ってどの事業者に排出事業者としての責任があるのか、その責任の所在があいまいでした。

平成22年の法改正により、廃棄物処理法に次の条文が新設され、建設業における排出事業者が定義されることになりました。

第二十一条の三 土木建築に関する工事(建築物その他の工作物の全部又は一部を解体する工事を含む。以下「建設工事」という。)が数次の請負によつて行われる場合にあつては、当該建設工事に伴い生ずる廃棄物の処理についてのこの法律(第三条第二項及び第三項、第四条第四項、第六条の三第二項及び第三項、第十三条の十二、第十三条の十三、第十三条の十五並びに第十五条の七を除く。)の規定の適用については、当該建設工事(他の者から請け負つたものを除く。)の注文者から直接建設工事を請け負つた建設業(建設工事を請け負う営業(その請け負つた建設工事を他の者に請け負わせて営むものを含む。)をいう。以下同じ。)を営む者(以下「元請業者」という。)を事業者とする。

建設業において、排出事業者は「注文者から直接建設工事を請け負った建設工事を営む者(元請事業者)」と定義されています。
下請事業者のみが施工に携わる工事であっても、その下請事業者が建設廃棄物の排出事業者になるのではなく、注文者(発注者)から最初に工事の注文を受けた元請事業者のみが排出事業者になります。

例えば、住宅の解体工事と新築工事を請け負って、解体工事を下請に出したとしても排出責任者は解体工事を行う下請業者ではありません。
この下請業者が無許可で収集運搬を行った場合、廃棄物処理法違反となり、元請・下請双方の事業者が罰せられる可能性がありますので十分注意が必要です。

下請業者が許可なしで運搬できる場合

解体工事現場

それでは、例外的に下請業者が収集運搬業の許可なしで、建設廃棄物を運ぶことができるのはどういう場合でしょうか?

  • 特別管理一般廃棄物または特別管理産業廃棄物ではないこと
  • 新築、増築、解体を除く建設工事で発生した廃棄物、または引渡し済みの建築物等の瑕疵の修補に関する工事で発生した廃棄物であること
  • 請負代金が500万円以下の工事で発生した廃棄物であること
  • フレキシブルコンテナ等で、1回当たりに運搬される量が1立方メートル以下であることが明確にわかる状態で運搬される廃棄物であること
  • 建設現場のある都道府県内か、そこと隣接する都道府県内に運搬される廃棄物であること
  • 運搬先が、元請事業者の使用権原がある土地か、元請事業者の委託先の廃棄物処理業者の事業地であること
  • 廃棄物の運搬途中で保管を行わないこと

    上記のすべてを満たす場合、その廃棄物は下請事業者が排出した建設廃棄物とみなされるため、下請事業者が収集運搬業の許可を受けなくてもよいことになります。

    かなり限定されたケースであることが理解できると思います。

産業廃棄物収集運搬業の許可申請

プレゼンテーション

収集運搬を行う事業者は、産業廃棄物を積み込む場所と運搬先(積替え保管場所または処分場)の双方の自治体の許可を持っていることが必要になります。
例えば、福島県で発生した産業廃棄物を栃木県の中間処理場に運搬する場合、福島県知事と栃木県知事の許可が必要になります。

福島県内で発生した産業廃棄物を福島県内の施設に運ぼうとする場合には、福島県知事の許可のみで可能となります。
しかし、福島市、郡山市及びいわき市は中核市となっていますので、それぞれの市の管轄区域のみを営業区域とする場合や、それぞれの市の管轄区域内で積替え保管行為を行う場合には、各中核市の市長の許可が必要になります。


アゴラ行政書士事務所では、産業廃棄物収集運搬業の許可申請の書類作成と提出の代行を承っております。
福島県知事に対する許可申請の料金は下記の通りです。

料金(報酬額)証紙代(手数料)
10万円~12万円(税抜)81,000円

福島市・二本松市・本宮市・大玉村・郡山市等の事業者の皆様については、無料にて出張相談対応中です。
どうぞお気軽にお問い合わせください。