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ソーラーシェアリングと農地転用許可申請

ソーラーシェアリングと農地転用許可申請

福島県の行政書士、佐藤勇太です。

この記事では太陽光発電設備(太陽光パネル)の設置を例として、農地転用許可申請について解説していきます。

太陽光パネルの設置については、野立て型とソーラーシェアリングの2つのケースに分けて考えることができます。

野立て型とは、地面にじかに太陽光パネルを設置するケースです。
地面に直接設置するわけですので、当然のことながらそこでは耕作ができなくなるので農地ではなくなります。
そのため、野立て型で太陽光発電設備を設置する際には、事前に農地転用の許可を受けなければなりません。

さて、農地転用には自己の農地を自己のために転用するパターンと、他人の農地を買ったり借りたりして自己のために転用するパターンがありました。
前者では農地法4条の許可が必要になり、後者では農地法5条の許可が必要になります。

農地法4条または5条による農地転用の許可申請は、原則として市町村の農業委員会を経由して都道府県知事に対して行います。
許可権者は「立地基準」と「一般基準」に照らして、農地転用の許可を判断することになります。

ここまでは前回の記事の復習になります。
実際の手続きは大変なのですが、仕組みを理解するのはそれほど難しくないと思います。

ソーラーシェアリングとは

それでは本題に入っていきましょう。
まずは、ソーラーシェアリングとはどんなものなのかを確認します。

ソーラーシェアリングとは、農地に支柱を立てて、営農を適切に継続しながら上部空間に太陽光発電設備を設置することにより、農業と発電を両立する仕組みのことを言います。

高さ2メートル以上の支柱を立てることによって、太陽光パネルの下の農地はそのまま変わらずに農地として耕作することができます。

ソーラーシェアリングを導入する農業者の最大のメリットは、農作物の販売による収入に加えて売電による継続的な収入を得られることです。
収入が増え、農業経営の規模が拡大すれば、農地を効率的に利用することができるようになります。

ソーラーシェアリングは荒廃農地の再生にも貢献するものとされています。
農林水産省の調査によれば、荒廃農地を利用して設備を設置した割合は、全体の約30%となっています。

また、農地転用が原則不許可となる農用地区域内農地、甲種農地、第1種農地でも転用の許可が可能となっています。
ソーラーシェアリングは部分的かつ一時的な転用という特別な扱いになるからです。

ソーラーシェアリングの手続き

ソーラーシェアリング導入の際には、支柱部分についての農地転用許可が必要ですが、その前提として次のような事項が確認されます。

  • 一時的な転用(3年以内または10年以内)であり、下部の農地での営農が適切に行われることを前提としているか
  • 支柱は簡単な構造で容易に撤去できるもので、許可に関わる面積が必要最小限で適正であるか
  • 下部の農地における営農の適切な継続が確実と認められるか
  • 農作物の生育に適した日照量を保つための設計となっているか
  • 農作業に必要な農業機械等を効率的に利用するための空間が確保されているか(高さ2m以上)
  • 周辺の農地の効率的な利用、農業排水施設の機能等に支障を及ぼすおそれがないか

支柱部分についての一時転用許可は、土地所有者者とパネル設置者(事業者)が同一であれば農地法4条の許可申請、土地所有者とパネル設置者が異なれば5条の許可申請を行うことになります。

また、少し複雑になるのですが、土地所有者とパネル設置者が異なる場合(5条許可申請の場合)には、空中の太陽光パネル部分に関して農地法3条の許可申請も必要になってきます。

パネル設置者は土地所有者に上空の空間を使う権利(区分地上権等)を設定してもらうのですが、そのために農地法3条の許可申請も同時に行うこととされています。

少しややこしい話になりましたがいかがでしょうか。


ソーラーシェアリングにおける農地転用許可には次のような条件が付けられます。

  • 営農の適切な継続が確保され、支柱がこれを前提として設置される当該設備を支えるためのものとして利用されること
  • 下部の農地において生産された農作物に係る状況を、毎年報告すること。また、報告内容について、必要な知見を有する者の確認を受けること
  • 営農の適切な継続が確保されなくなった場合又は確保されないと見込まれる場合には、適切な日照量の確保等のために必要な改善措置を迅速に講ずること
  • 営農の適切な継続が確保されなくなった場合若しくは確保されないと見込まれる場合、営農型発電設備を改築する場合又は営農型発電設備による発電事業を廃止する場合には、遅滞なく、報告すること
  • 営農が行われない場合又は営農型発電設備による発電事業が廃止される場合には、支柱を含む当該設備を速やかに撤去し、農地として利用することができる状態に回復すること

太陽光パネルを設置することにより、下部の農地の収穫量が減少したり、品質が劣化したりしないような設計が要求されることが分かります。

アゴラ行政書士事務所の農地転用サポート

太陽光パネルを設置するための農地法上の手続き(農地転用手続き)について、ごく簡単に解説してきましたがいかがだったでしょうか。

農地転用にあたっては農地法に限らず、都市計画法などの他の法令が要求する条件もクリアしなければなりません。
また、利害関係者の同意を得るための調整も必要になってきます。

特にソーラーシェアリング導入にあたっては、適正な営農が継続できるかについて、許可権者を納得させるだけの資料が求められます。
これらの資料は科学的根拠に基づかなければならず、専門家の意見を聞かなければなりません。

農地法による許可申請は法令を読み、制度を理解するのも大変ですが、申請書類の作成も手間のかかるものになっています。
農地転用をお考えの方はどうぞお近くの行政書士にご相談ください。

アゴラ行政書士事務所では、福島県内の農地転用許可申請を事業者に代わって行っています。

サービス料金は次のように設定させていただいています。
(農地転用手続きは事業の内容・規模によって難易度が大きく異なりますので、一律の料金を設定することは困難です。)

サービス料金
農地法3条許可申請50,000円~ + 実費
農地法4条許可申請70,000円~ + 実費
農地法5条許可申請70,000円~ + 実費

しっかりと調査を行った上で転用が可能かどうか判断し、正確な見積もりを示した上で業務にあたらせていただきます。
(調査料が必要な場合があります。)

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