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福島県で宅建業免許を取得するための要件と手続き

こんにちは。
福島県の特定行政書士、佐藤勇太です。

私は宅地建物取引士と賃貸不動産経営管理士の資格を持っていますが、どちらもしっかり勉強しないと合格できないものでした。
実務経験を積めば、さらに法令などの知識が深くなるのでしょう。

何が言いたいのかといえば、不動産のプロと一般消費者との間には、不動産取引に関する知識や経験の差が歴然とあるということです。
宅地や建物の取引を業として行うためには、都道府県知事や国土交通大臣の免許が必要ですが、その理由として一般消費者の保護があげられます。

また、不動産は高価なものなので、取引行為や物件に問題があった場合に、それを補償するだけの資力がなければなりません。
専任の宅地建物取引士を営業所に配置することも、法律によって義務づけられていることの1つですね。

この記事では、主に福島県で新たに不動産業(宅地建物取引業)を営もうとお考えの方に向けたものです。
福島県知事の免許を受けるための要件や手続き、必要な書類や提出先について、できるだけ分かりやすくお伝えしたいと思います。

※必要に応じて福島県のホームページをご参照ください。
宅地建物取引業者免許の申請、変更、廃業、各種届出に関すること(建築指導課)

福島県知事の免許が必要な宅地建物取引業とは

宅建業の免許を受けるための要件を解説する前に、「宅地建物取引業」とは具体的に何を指しているのかを一緒に確認しましょう。
「宅地建物取引業」の法律上の定義は以下のようになっています。

宅地若しくは建物(建物の一部を含む。以下同じ。)の売買若しくは交換又は宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸借の代理若しくは媒介をする行為で業として行うものをいう。

(宅地建物取引業法第2条2項)

法律の条文って本当に読みにくいですね。

宅地とは

「宅地」とは、➀今現在、建物が建っている土地、②今現在、建物は建っていないが、建物を建てる目的で取引される土地、③用途地域内の土地で、道路・公園・河川・広場・水路以外の土地、のことです。

「用途地域」とは、都市計画法という法律で定められる土地のことです。
用途地域は市街化区域内に設定されるので、建物を建てることが予定されている土地ということができます。

これに指定されると建てることができる建築物が建築基準法によって規制されることになります。
「建ぺい率」とか「容積率」といった言葉を聞いたことはあるのではないのでしょうか。

ですので、例えば「農地」を「農地」として売買する場合、それは宅地建物取引業には該当しません。(ただし用途地域内の農地を除きます。)

建物とは

「建物」とは、住居に限らず、倉庫や工場などを含み、さらにマンションの1室のような、建物の一部も含むものです。

ちなみに、マンションの1室はそれ自体で独立した売買の対象になります。
区分所有権という権利が認められているので、不動産登記が可能になります。

取引とは

「取引」とは、宅地または建物の取引に関して、下表の○に該当する行為をいいます。

自ら代理媒介(仲介)
売買
交換
貸借


ポイントは、自ら行う貸借は宅地建物取引業法の適用外だということです。
自己が所有する宅地や建物を他人に貸す場合、宅建業の免許は不要です。

逆に言えば、自ら行う賃借(貸し借り)以外の宅地や建物の取引を行うには、自分で行う場合、誰かを代理して行う場合、他人同士の仲介をする場合のすべてにおいて免許が必要ということになります。

「自分の土地や建物を売るのにも免許が必要なのか?」という声が聴こえてきそうですね。
この場合には、それが「業として」行われるかどうかによって判断されることになります。

「業として」に該当するかどうかは、事業性があるかどうかによって判断されます。
一般的には、営利目的で行う場合や不特定多数を対象に行う場合、反復継続的に行う場合には事業性があると判断されます。

宅地建物取引業の免許を受けるために必要なこと

宅建業の免許は都道府県知事の免許と国土交通大臣の免許の2種類があります。
福島県内にのみ事務所を設置する場合には知事の免許、他の都道府県にも事務所を設置する場合には大臣の免許になります。

この免許の区分は、営業できる地域を定めたものではなく、どちらの免許受けたとしても、全国どの地域でも営業することができます。

免許の有効期間は5年間で、有効期間満了後も引き続いて宅建業を営む場合には、免許の有効期間満了日の90日前から30日前までに、免許の更新申請を行わなければなりません。

宅建業免許の申請は、個人でも法人でも行うことができますが、法人の場合は、「商業登記簿」の事業目的欄に、宅建業を営む旨の登記がされている必要があります。

欠格要件

建設業許可などの他の許認可を必要とすると営業と同様に、法令で定められた欠格要件に該当する場合、宅建業の免許を受けることはできません。
宅建業免許の欠格要件は、宅建業法第5条などで定められています。

免許を受けようとする者(申請者・役員・政令使用人・法定代理人・法定代理人の役員)が、以下の欠格要件に該当する場合、または免許申請書・添付書類の重要な事項について、虚偽の記載があり、もしくは重要な事実の記載がかけている場合、免許を受けることができません。

  1. 破産者で復権を得ない者
  2. 免許取消の日から5年を経過しない者
  3. 免許取消処分の聴聞の公示後廃業届の提出をし、その届出日から5年を経過しない者
  4. 禁固以上の刑又は宅建業法違反等により罰金刑に処せられてから5年を経過しない者
  5. 暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しないもの
  6. 免許の申請前5年以内に宅建業に関して不正又は著しく不当な行為をした場合
  7. 宅建業に関し不正又は不誠実な行為をするおそれが明らかなもの
  8. 暴力団員等がその事業活動を支配するもの
  9. 事務所に専任の宅地建物取引士を設置していない場合
  10. 心身の故障により宅地建物取引業を適正に営むことができない者として国土交通省令で定めるもの

免許を受けた後に、この欠格要件に該当することとなった場合には、その免許は取り消されることになりますのでご注意ください。

事務所の要件

宅建業の事務所は、物理的に業務を継続的に行える機能があり、事務所として明確に認識できる程度の独立した形態を備えている必要があります。
コンテナを置いただけの事務所やバーチャルオフィスなどは認められません。

いわゆる「プレハブ」については、土地に定着していて、登記がされているような場合には、事務所として認められるようです。(確認済みです。)

1つの部屋を他の法人または個人事業者と共同で使用する場合も原則として認められません。
ただし、一定の高さ(170cm以上)のある固定式のパーテーションなどにより仕切られ、他事務所等の一部を通らずに該当事務所に直接出入りができ、独立性が保たれている場合は、事務所として認められることがあります。

住居の一室を事務所として利用する場合も原則として認められません。
ただし、事務所が住居部分と区別され独立性が保たれている場合は、事務所として認められることがあります。

事務所を借りて営業する場合には、事業に使用する旨が契約書などに記載されている必要があります。
また、契約期間が短すぎると継続的に行うことができないと判断される場合があります。

「人」の要件

ここからは、「人」の要件についての解説です。
申請者が欠格要件に該当しないというのも「人」の要件になりますが、その他にも、事務所ごとに政令使用人と専任取引士を置くことが必要になります。

政令使用人

政令使用人とは、宅建業法施行令第2条の2で定める使用人のことで、「宅建業に係る契約を締結する権限」(通常、支店長、営業所長などが該当します。)を持つ従事者のことです。
ただし、申請者である代表取締役などが常勤する事務所には、政令使用人を置く必要はありません。

専任取引士

宅建業者は、事務所や案内所ごとに一定の数の専任の宅地建物取引士(専任取引士)を置かなければなりません。
事務所においては、宅建業に従事する者5人に対して1人以上の専任取引士が配置される必要があります。

専任取引士は「常勤性」と「専従性」の2つの要件を充たさなければならず、事務所に常勤して専ら宅建業の業務に従事する必要があります。

「常勤性」の要件を備えるためには、宅地建物取引士と宅建業者との間に雇用契約などの継続的な関係があり、その事務所の業務時間にその事務所の業務に従事することを必要とします。
非常勤やパートタイムの従業者は、「常勤性」の要件を充たさないため、宅地建物取引士の資格を持っていても、専任取引士となることはできません。

「専従性」とは、宅地建物取引士が、その事務所において、宅建業の業務に専念することをいいます。
宅地建物取引士が宅建業のみならず、他の業務も併せて従事する場合、当該宅地建物取引士が専ら宅建業務に従事することができる状態であることが求められます。

宅建業者が免許を受けた後に、専任取引士の数が要件を充たさなくなった場合には、2週間以内にこれを補充しなければなりません。

資力の確保について

宅建業者が取引で消費者に損害を与えた場合、その被害を最小限に抑えるため、損害を補償するための財産をあらかじめ確保しておく手続きがが求められます。

免許後、3か月以内に、営業保証金を供託所に供託するか、宅地建物取引業保証協会の社員になる必要があり、いずれかの手続きが済んだ後に、福島県知事あてに所定の届出をすることとなります。

厳密にいえば免許の要件ではありませんが、この手続きを行わないと営業ができませんので必ず行ってください。
免許日から3か月の期日を経過して、いずれかの手続きを済ませていないときは、免許を取り消されることがあります。注意が必要です。

営業保証金を供託する場合

主たる事務所(本店)の所在地を管轄する供託所へ法定の営業保証金を供託します。
営業保証金の金額は、主たる事務所(本店)については1000万円、従たる事務所(支店)については、1店舗あたり500万円です。
かなり高額のお金が必要になりますね。

供託所とは、法務局、地方法務局とその支局、法務大臣が指定する出張所などになります。
(福島県内で供託を取り扱っている法務局は、本局(福島市)、相馬支局、郡山支局、白河支局、若松支局、いわき支局です。)

宅地建物取引業保証協会の社員になる場合

保証協会は、国土交通大臣の指定を受けた社団法人で、宅建業者を構成員(社員)とする組織です。

保証協会は、社員の宅地建物取引に関する苦情の解決や社員のために営業保証金の還付と同様の弁済業務を行っており、社員はその分担金(弁済業務保証金分担金)を納付する必要があります。
保証協会の社員となった者は、営業保証金の供託を免除されます

保証協会には2団体があり、福島県内の連絡先は次のとおりです。

公益社団法人 全国宅地建物取引業保証協会 福島県本部(ハトのマーク)
公益社団法人 不動産保証協会 福島県本部 (うさぎのマーク)

どちらを選択してもいいのですが、同時に加入することはできません。
保証協会の社員になるには、協会の入会審査を受ける必要があり、その際、分担金のほか、入会金などの諸経費が必要になります。
サイトをご覧なれば分かりますが、入会する際には130万円~150万円ほどの費用がかかります。

福島県における宅建業免許の申請手続き

ようやくですが、ここからは宅建業の免許(福島県知事)の申請手続き、必要書類、申請先などについて解説していきたいと思います。

申請の手続きの前段階として、定款と商業登記簿の事業目的に、「宅地建物取引業」などの記載があるかどうか確認してください。(法人の場合)
記載がない場合には、定款を変更した上で登記を行うことになります。

もう1つ、忘れてはならないのは、専任の宅地建物取引士を確保しておくことです。

もし、宅地建物取引士の登録内容(氏名、住所、本籍、勤務先の商号・名称)に変更があった場合には、登録先の都道府県で変更の手続きを済ませておく必要があります。
宅地建物取引士資格登録者の変更登録申請が完了していない場合は、免許の申請を受付てもらいません。

新規免許申請のフローチャート(福島県)

福島県における宅建業の免許の許可申請がどのように進められるかについて、県の宅地建物取引業免許申請等の手引きより抜粋しました。

申請受付から免許を受けるまでの目安は、およそ1か月とされています。
ただし、新規許可の場合には事務所の現地調査がありますので、日程調整などのために時間がかかる場合があります。

申請の際には、手数料として33,000円を県の収入証紙で納入することになります。

宅建業免許申請に必要な書類(福島県)

宅建業免許の新規申請にあたって、全ての申請者が提出しなければならない書類は次のようになっています。
住民票や登記簿などの証明書類は、申請時点で発行日から3か月以内のものである必要があります。

指定様式必要書類(新規の場合)
第一面免許申請書
第二面役員に関する事項
第三面事務所・使用人・専任取引士に関する事項
第四面専任取引士に関する事項(第三面の続き)
第五面収入証紙貼付け欄(33,000円)
添付書類(1)宅地建物取引業経歴書
添付書類(2)誓約書
添付書類(3)専任の宅地建物取引士設置証明書
添付書類(4)相談役、顧問、株主等に関する書面(法人のみ)
添付書類(5)事務所を使用する権限に関する書面
事務所建物の登記簿謄本(自己所有事務所の場合)又は
貸借契約書の写し(借家の場合)
事務所付近の地図
事務所の写真(➀~③)
①事務所建物の全景、②入口付近、③事務所内部全
添付書類(6)略歴書 ・身分証明書 ・登記されていないことの証明書
(代 表 者 、役 員 、使 用人、専取、相談役、顧問、監査役の分)
住民票抄本(代表者分)
専任取引士の取引士証・健康保険証の写し
添付書類(7)資産に関する調書(個人のみ)
添付書類(8)宅地建物取引業に従事する者の名簿
貸借対照表及び損益計算書(直近の1期分)
納税証明書
商業登記簿(履歴事項全部証明書)

様式と添付書類の書式については、こちらからダウンロードすることが可能です。

次に該当する申請者のみが提出する書類です。

  1. 事務所建物の登記簿謄本上の「地番」と宅建業者の所在地の表示が異なる場合
     →同一場所であることの申立書
  2. ワンフロアーで2以上の異なる業者が営業している場合や、個人宅の一室を事務所として使用する場合
     →平面図(内部見取図)
  3. 成年被後見人または被保佐人に該当し、「身分証明書」及び「登記されていないことの証明書」が提出できない場合 ※事前相談が必要です。
     →医師の診断書(申請日前3か月以内に発行されたもの)
  4. 代表者、政令使用人または専任取引士が他の法人の役員を兼ねる場合
     →非常勤であることの証明書(他の法人の代表者が証明)
  5. 宅建業者の代表者が、同一建物内にある2以上の事業者の代表者を兼ねている場合
     →同一建物内の代表権行使に支障がない旨の誓約書
  6. 宅建業を行わない登記された支店がある場合
     →支店で宅地建物取引業を行わない旨の申立書

申請書類の提出先(福島県)

必要な証明書類をすべて収集し、申請書類を完成させたら、受付窓口に提出して審査を受けるようになります。
受付窓口は、本店の住所地を管轄する建設事務所となります。

所在地提出先電話番号
福島市 
二本松市
伊達市 本宮市
伊達郡 安達郡
〒960-8670
県北建設事務所 総務部 行政課
福島市杉妻町2-16
(福島県庁北庁舎6階)
024-521-2498
郡山市 
須賀川市
田村市 田村郡
岩瀬郡 石川郡
〒963-8540
県中建設事務所 総務部 行政課
郡山市麓山1-1-1
(県合同庁舎北分庁舎2階)
024-935-1329
白河市 
西白河郡
東白川郡
〒961-0971
県南建設事務所 総務部 行政課
白河市昭和町269
(県合同庁舎新館3階)
0248-23-1613
会津若松市 
大沼郡
河沼郡
〒965-8501
会津若松建設事務所 総務部 行政課
会津若松市追手町7-5
(県合同庁舎新館3階)
0242-29-5414
 
喜多方市 
耶麻郡
〒966-0901
喜多方建設事務所 総務部 行政課
喜多方市松山町鳥見山字下天神6-3
(県合同庁舎2階)
0241-24-5713
南会津郡〒967-0004
南会津建設事務所 総務部 総務課
南会津郡南会津町田島字根小屋甲4277-1(県合同庁舎3階)
0241-62-5306
相馬市 
南相馬市
双葉郡 
相馬郡
〒975-0031
相双建設事務所 総務部 行政課
南相馬市原町区錦町1-30
(県合同庁舎南庁舎2階)
0244-26-1207
いわき市〒970-8026
いわき建設事務所 総務部 行政課
いわき市平字梅本15
(県合同庁舎2階)
0246-24-6109

アゴラ行政書士事務所の宅建業免許申請サポート

長い記事になりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。

宅建業の免許申請においては、要件に該当するかを、時には役所との話し合いをしながら慎重に検討し、かなりボリュームのある書類を収集し、それを申請書類に落とし込む必要があります。

申請書に不備があると補正を求められますので、慣れない場合には何度も役所に足を運ぶことにもなりかねません。
もちろん、ご自身で申請手続きを行うことは可能ですが、許認可の業務に精通した行政書士に依頼する選択肢もアリだと考えます。

アゴラ行政書士事務所は、福島県知事に対する宅建業の新規免許申請・更新申請、そして保証協会への加入申込みの申請書類の作成と提出の代行を承ります。

サービス料金

サポートの料金は次のとおりです。

サービス料金(税込)証紙代
宅建業免許申請(新規)
(保証協会への申込みを含む)
82,500円~33,000円
宅建業免許申請(更新)55,000円~33,000円
証明書類取得代行料1通につき990円
相談料無料

ご依頼の流れ

  1. お電話、メールでのお問い合わせ

    お手元に会社の定款、確定申告書の写し、役員や従業員の名簿等があればごご用意いただければと思います。
  2. 打ち合わせ方法のご案内

    原則として御社に伺って、要件に該当するかどうかの確認と、今後の業務の進め方をご提案させていただきます。
    (車の移動で片道60分を超える地域については、別途交通費をいただくことがあります。)
    Zoomなどのオンラインでの打ち合わせも可能です。
  3. お見積書の提示・契約書の締結

    必要な経費・報酬のお見積もりを提示させていただきます
    お見積もりにご納得いただけましたら委任契約書を取り交わします。
    (ここまでは料金は発生しません。)
    着手金として、料金の30%程度と申請手数料をお預かりいたします。
  4. 業務遂行

    着手金の入金が確認できましたら、すぐに業務に取り掛からせていただきます。
    業務完了まで、随時進捗状況をご報告いたします。
  5. 業務完了・残金のお支払い

    申請書類が受理されたら、残金のお支払いをお願いします。
    免許が下りましたら、申請書など成果物を納品いたします。
    (万が一許可が得られなかった場合には、申請手数料以外の料金は全額返金いたします。)

皆様が「本業」に集中できるように、全力でバックアップさせていただきます。
お問い合わせお待ちしています。